気まぐれなあとがき

すべてあなたとわたし宛て

2020-01-01から1年間の記事一覧

美容院

美容院に対して苦手意識がある。 理由はよくわからないけれど昔から苦手だった。鏡に映っている自分を見続けるのも、美容師さんに話しかけられるのも、目の前に置かれたファッション誌を興味ありげに読むのも、何となく慣れない上にどこか居心地の悪さを感じ…

マグカップ

高校時代、わたしは文芸部に所属していた。所属していたという言い方は正確ではなくて、入りたい部活がなかったから同級生と一緒に立ち上げた、と言ったほうが正しい。わたしたちは図書室で黙々とキーボードを叩き、ああでもないこうでもないとぶつぶつ言い…

先輩

人生において忘れられない人が何人かいる。多くは心の底から尊敬している人たちで、良いエピソードばかり印象に残っている。 しかし、今日ここに書きたいのは、そういう人たちとはちょっと違う、高校時代の先輩の話だ。 わたしと彼は顔を合わせれば罵倒しあ…

馬鹿と常識

「馬鹿は風邪をひかないって言うけどさ、馬鹿は自分が風邪をひいてるって気づけないだけだと思う、なんたって馬鹿だから」 中学のクラスメイトのまどかちゃんがこう言ったとき、世界がぐるんと反転して見えた。真偽はともかく、その衝撃たるやすさまじかった…

伝書鳩

わたしが初めてスマホを持ったのは2017年頃のことだ。 当時わたしは高校生だったが、クラスメイトのほとんどがスマホを持っていた。ガラケーを使っていたのはわたしだけで、友人はわたしを縄文時代の人間のような扱いをした。ガラケーイコール縄文土器という…

仁義なき親知らずとの戦い 第二戦

〜前回までのあらすじ〜 hirunelover.hatenablog.com ひっそりと歯茎に身を隠していた親知らずちゃん。今までうんともすんとも言わない優等生だったのに、ある日急に自己主張を覚え、「俺を無視すんな!」とかなんとか騒ぎ始めた!その痛みに負けたわたしは…

仁義なき親知らずとの戦い 第一戦

前からなんとなく気配は感じていた。カントリーマアムを食べたとき、本来歯茎であるはずの場所に食べかすがつまるような感覚。痛いわけではないが違和感があり、その違和感は日に日に増していく。しかし痛いわけではないから放っておくしかなかったのもまた…

コーラ

この世にコーラなる飲料が存在することは知っていた。知ってはいたが、今日まで飲んだことがなかった。 家が厳しくて禁止されていた、みたいな事情は特にない。わたしの弟はコーラが好きで、夏場になると冷蔵庫にコーラを常備している。彼の中でコーラとポテ…