気まぐれなあとがき

すべてあなたとわたし宛て

執筆日記0

最近、いろんな人に「これから小説を書く」と言いふらしている。そうでもしないと最後まで書ききれない気がしたからだ。

今のところ、小説が完成したら4人に読んでもらうことになっている。母と、某所でお世話になっているSさんと、とある登場人物のモデルになってくれた友人と、いつもTwitterで的確なアドバイスをくれる顔も本名も知らない友人。

彼らには別に感想を求めているわけではなくて、勝手に送りつけるからあとは煮るなり焼くなりすきにして、というスタンスで行こうと思っている。できれば誰かに何かを言いたくなるような小説にしたいとも思っているが、まあそのへんはわたしの腕にかかっているので完成させてみないと何ともいえない。

ここでひとつ問題が発生して、今回の記事はその言い訳をしたくて書いている。

友人をモデルにして作り上げた某登場人物が、なんというか、クズみたいな人間になってしまったのである。

一応ことわっておくが、モデルとなった友人は決してクズではない。わたしみたいな人間と仲良くしてくれる菩薩のような人なのだ。それが、いろいろ脚色してキャラクターを作り上げた結果、どういうわけかクズになってしまった。

ネタバレになるので詳細は書かないが、このまま書けば友人は絶対に傷つく。間違いない。絶交されても文句が言えない。ヤバいどうしよう。

ここまで考えて思い出したことばがふたつある。

ひとつは、「俺の発言は著作権フリーなんで」という友人本人のことば。

もうひとつは、とある作家が言った「何かを表現するということは、必ず誰かを傷つける。傷つけるから作らないのではなく、どんなに配慮をしてもどこかの誰かは傷つくことを承知した上で作るしかない。表現者とはそういう職業である」ということば。

わたしが小説を書く以上、最終的には誰かを傷つける。

結局のところ、わたしは友人の「著作権フリー発言」に甘えるしかない。最後まで書いて友人に許しを乞うしかない。そんな自分が恥ずかしく、そして情けなく思う。

友人ごめん。書かせてください。あなたには一生頭が上がりません。